カテゴリ
以前の記事
2025年 02月 2025年 01月 2024年 12月 2024年 11月 2024年 10月 2024年 09月 2024年 08月 2024年 07月 2024年 06月 2024年 05月 2024年 04月 2024年 03月 2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 2023年 05月 2023年 04月 2023年 03月 2023年 02月 2023年 01月 2022年 12月 2022年 11月 2022年 10月 2022年 09月 2022年 08月 2022年 07月 2022年 06月 2022年 05月 2022年 04月 2022年 03月 2022年 02月 2022年 01月 2021年 12月 2021年 11月 2021年 10月 2021年 09月 2021年 08月 2021年 07月 2021年 06月 2021年 05月 2021年 04月 2021年 03月 2021年 02月 2021年 01月 2020年 12月 2020年 11月 2020年 10月 2020年 09月 2020年 08月 2020年 07月 2020年 06月 2020年 05月 2020年 04月 2020年 03月 2020年 02月 2020年 01月 2019年 12月 2019年 11月 2019年 10月 2019年 09月 2019年 08月 2019年 07月 2019年 06月 2019年 05月 2019年 04月 2019年 03月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 12月 2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 2018年 06月 2018年 05月 2018年 04月 2018年 03月 2018年 02月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 09月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 08月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 05月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 お気に入りブログ
最新のコメント
最新のトラックバック
検索
タグ
最新の記事
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
*現在サンテレビにて再放送中の番組です。関西以外在住の皆様は、バンダイチャンネル他をご利用の上、視聴の機会を得られれば、大変幸いです。 話の筋の圧縮具合は本当に凄まじいものがあり、トレーズにボールが渡って居るのもそう長くは無い間でしか無いものなのです。 それでいて、各陣営目指すゴールは大体同じなれども、その道すがらで生じる犠牲を真剣に頓着出来た者は殆ど皆無だった。 何分トレーズすら、己を勘定に入れる事を、躊躇わない方の巨悪めいた気質があり。 なればこそ、奴等に翻弄されながらも答えを探し歩く、ヒイロやリリーナの姿が際立つ事となるのです。『御自身も、囮の内ですか・・・』 “真のオペレーション・メテオ”遂行の暁には、連合だろうがOZだろうが所構わず、手向かう者全てを斃し尽す事こそが目的とされた事でしょうが、ドクターJらはそれを嫌い、現在の限定的な攻勢を挑んだものの・・・。 『これで、人々は迷う事無く、歴史に身を委ねられる』 それをトレーズがかねてより温めて居た野望の為に利用される形となります。 『任務了解・・・ニューエドワーズ、其処にOZが集結する・・・』 ニューエドワーズ基地においてOZ首脳会談の実施、と言う嘘っぱちを貫くべく、情報統制は勿論の事、空のシャトルを往来させる事で人員移動を偽装するのみならず、自らは真っ先に現地入りして餌にすると言う、徹底的な前準備を施していたのです。 『カトル様の優しき御配慮を無駄には出来なかったが・・・しかしカトル様、せめて一言相談して欲しかったですぞ・・・』 『今度の仕事は絶対にヘマしたく無いからな!偶には良いんじゃ無いのか?』 『・・・勝手にしろ!』 『あいつぅ、俺の名前覚えやがった・・・♪』 唯悪戯に人の血が流れ続ける今生に、うんざりしていた事は間違いが無く、自ら正すべく立ち上がった輩である事は間違いは無いのですが・・・。 そんなエレガント狂人にヒイロ達はおろか、周りも徹底的に踊らされるのが本話のが概要と言えましょう。 『さて歴史はどう動くかな』 『トレーズ様が決定なさる通りにです』 『連合次第、と言う事だ・・・私がそれを正すかどうか・・・それが歴史なのだ』 基地にて、実際に開催されたのは地球連合軍の会合で在り、しかもそれは穏健派のノベンタ元帥を中心とした軍縮推進とその具体案の詰めだったと言う真逆のものだったのです。 紛争の絶えない世界各国の混乱を収めるべく、結成された地球連合軍ではあったものの、その目的は達成されたと自賛するには遠く。 『そもそも連合は、世界各国の軍事力に対する抑止力であった・・・だが今や、我々が世界を脅かす軍事力そのものでは無いのか?軍備拡張、新兵器の開発に、最早労力を費やす必要は無い!そうする事が正しい連合の執る道では無いのか?』 『コロニー側が我々に不信を抱くのを、“当然”と思って貰いたい。その不信を拭う為に、我々は早急に彼等との対話を始めるべきなのだ!』 『同感ですなぁ!人類の新たな歴史を対話で始めようではありませんか!』 『コロニーとの問題だけでは無い、私は全世界においても同じ対話を始めなければならないと考えて居る』 『我々の和平の意志を知れば、コロニー側も破壊活動の意味を失う・・・語り合おう!すれば見失った道も、我々の前に見えて来る』 その論調には強硬論者たるセプテム将軍等も、表立って反論する材料が無く言葉に詰まって居ましたが・・・。 『矢張り、歴史は“誤った”方向に動くのか・・・』 まあトレーズが言う様に大分手前勝手な考えだったとも言える所はあります。 『では?』 『いいや、最後の役者達が揃ってからだ』 今、ヒイロ達が襲い来るのはこれが限度等では無く、長年の怨念が噴出して決壊する兆候でしか無いのだと、正しくトレーズは読んでいたのです。 『何だと・・・あれは?!』 果たしてOZの情報戦に敗北した形で、ヒイロ達は順次襲撃を開始。 『進撃に時間がかかり過ぎる!』 『突撃あるのみ!』 支配者側が気紛れを起こしつつある等と微塵も知る由も無い・・・その意味でドーリアン外務次官を始末した事にも、戦略的意義は確かにあったのでしょう。 一応首脳会談と言う訳で、ヒイロやデュオすら尻込みするレベルの猛抵抗が実施されるも・・・此処でトレーズも己の舞台の幕を上げてしまいます。 『よし、全機降下開始!』 ゼクスらは演習名目で接近していましたが、似た様なノリで世界各地の地球連合軍基地目掛けて、OZが反乱を開始したのです。 『何だと・・・?!』 オペレーション・デイブレイク等と定められたこの大規模クーデターは、内部要員にすら間者を紛れ込ませた徹底的なものであり。 『曹長!駄目です!降伏しましょう!!』 『下らん事をぬかすな!貴様も裏切り者なのか?!』 またモビルスーツの運用練度に関してはOZ将兵側が凌駕、かつエアリーズ等新鋭機の配備状況もOZ側優勢と、虚を突かれた連合軍側に勝機はゼロでした。 何分疑心暗鬼の果てに味方すら殺す様な奴すら連合軍には・・・。 『ほざけ!!』 まあだとしても、肉を切らせて骨を断つと言わんばかりに、エアリーズでカウンター勝ちを狙うのは無謀通り越して自殺行為であり。 『無茶しないで下さいっ!ノイン特尉ぃ?!』 『・・・創り上げる事は素晴らしい・・・しかし、その足場作りにしては、血生臭過ぎ無いのか・・・?』 この汚いやり口に辟易している者も、結構居たりした事が後の混乱を助長させる事にも。 『何故だ?何故早く発進しない?』 『ノベンタ元帥達のシャトルが“先”です、我々はその後に』 『早まるな、若者よ・・・!』 それにつられたヒイロの手で纏めて始末させてしまったのです。 客演時に”ノベンタ斬り”とか超不名誉な蔑称を喰らう様に、ヒイロは何の躊躇も無くシャトルを撃墜してしまった事を・・・意外な事に大分引き摺る事となります。 『何と言う事だ・・・何と言う・・・の、ノベンタ元帥っ・・・!!』 その最期を見届けてから、後始末役のセプテムと同乗してトレーズは脱出。 『貴様らまだ無意味な戦いに飽き足りないのか?!』 残ったヒイロ達は、遅参したトロワとカトルを味方と認識出来ず巴戦勃発とグダグダしていた所に、最後に到着した五飛に叱責される羽目になります。 『解ってるのか?貴様達はまんまとOZの罠に乗せられたのだぞ?』 『何だって?!』 『連合の広報回線を開いてみろ、貴様達は、連合の平和論者を一掃してしまったんだ!!』 『真坂?!』 〈これはコロニー側の宣戦布告であるっ!!我々は本日コロニー側との和平を論じて居た!その中心と言うべきノベンタ元帥はもう、この世に居ない!!コロニー側の侵略モビルスーツに殺されたのだっ!!〉 案の定、激怒したセプテムの演説をもって、完全に世論は対コロニー戦争の方向へと誘導されてしまうのですが。 『御苦労様でしたセプテム将軍、これで貴方の出番は終わりです』 『何・・・あー?!』 抜かり無く彼自身もレディ・アンに始末されとります。 しかも最新鋭シャトル御自慢のボッシュート機構でセプテムを投棄して、落下中の彼目掛けてヘッドショットって・・・あのさぁ真面目に殺ってるのは解るけど貴女って一々面白いな(汗 ・・・無論、元反連合ゲリラとして、家族も仲間も喪って来たであろう身の上なので、恨み真髄であった事は察せられるにせよです。 さて、トレーズに踊らされる形で動乱の引き金を引いてしまったヒイロ達ではあったものの。 『それでも俺はOZと戦う!例え独りであろうともな!』 『俺は・・・俺は・・・!』 彼自身は己の命運は然程頓着して居ないと言うか、やがては討たれるべき者なのだと言う自負は、本編開始前の段階から持ち合わせて居た様です。 ・・・ところがガンダムのパイロット、特に五飛との対決を味わってしまった後は、ほんのりと贅沢を覚えた様です。 彼等の様な英豪に討たれる形で“敗者”となる。 傍迷惑な妄執とも言えますが、お蔭でAC世界は大混乱には陥ったものの、破滅的な衝突は一先ず回避出来た事は・・・褒めては、いけない事なのでしょうけど。 #
by zendam
| 2025-02-09 17:19
| レビュー
|
Comments(0)
*批判注意 *テレ東系列にて放送された番組です。未対応地区の皆様は、バンダイチャンネル他をご利用の上、視聴の機会を得られれば幸い・・・とは言い難い内容である事を留意してください。 後番組の都合と見做すにはあんまりに無計画と言うものでしょうに。 兎も角、シンカリオンを名乗るには遠く及ばないモノでしか無く、ロボットアニメとしても及第点以下の凡作であったとしか、精一杯擁護した上でも語る舌を持ち得ません。 抜いてはいけない柱を引っこ抜いておきながら、本筋をロクに組み上げられなかったからには、このザマになって当たり前です。 『でっけえ、どうするタイセイ?!』 『削るしか無い、ビーナと話すにせよ、止めるにせよ、今のままじゃ無理だ!ボディを殺いでビーナを引き摺り出すしか無い!』 『アカネ・・・解った、皆!お願い!!』 『『『応!!』』』 本作の最終決戦は廃棄データ群の対処に追われる形となりましたが、此処まで至るまでの道筋がやれ洗脳だの事情がどうとか、一々回りくどく疾走感に欠けた真似をされたせいで、余り盛り上がる所ではありませんでした。 『来るぞ!目の前の敵に集中するんだ!!』 相手とするのが明白な姿形を持って居ないと言うのも大変なデメリットとなり、折角フィールドのハッキングを敢行して分散隔離を図ったのに、アンノウンの腕しか生えて来ないと言うのは幻滅ものです。 『ああ、タイセイ!』 『うん、往こう、三両合体!!』 SRGを再投入したのにこれでは勿体が無さ過ぎる。 ロボットアニメのラストバトルでそこを蔑ろにすべきでは無いでしょうに。 『お願い・・・時間を稼いで、レイジ!!』 『安心しろ・・・俺の気持ちは何時だってお前達側だ』 タイセイの意気地を魅せてくれと、少々意地悪く振る舞った所はあれども。 『レイジさん・・・』 『ビーナと、大切な人と向き合うんだろ?俺の見込み違いか?』 廃棄データ群目掛けて拮抗を果たしたのは、腐ってもボス経験者と言うものでしたが。 後ゼロから持ち出したブレードを携えて居た事も、彼の心持は既にタイセイ達と共にある事の証明になっているのは良いとしても。 最期なんだから、一瞬でもテンダーが化けて出て意地を魅せてくれてもバチは当たらんかったでしょうに。 唯最終局面の絵面に関してはそれなりには捻って居ました。 廃棄データ群は消耗戦を仕掛ける事を嫌ったか、運転士達の中核たるタイセイへの集中攻撃を果たすべく・・・一騎打ち何て言う浪漫ある手を取ったのです。 ビーナを中核として構成されたのは、彼女が想う最強の人型・・・。 〈この子達はもう、想いをリアルにぶつけるしか無い、それで沢山の被害が出るでしょうね・・・だけど、それが何なの?ERDAを除けば、その被害に苦しむのは、貴方にとって見ず知らずの人達でしょう?そんな人達が、私達より大切だって言うの??〉 そう漆黒のE5、名称としては「オルタナティブ」と呼称されるシンカリオンにて、閉鎖空間でのタイマンを仕掛けたのです。 〈応えてよタイセイ?赤の他人より・・・〉 『待ってよ、ビーナ・・・幾らビーナでも・・・今の言葉は、赦さないぞ?!それが何なのだって?!ふざけるなよ?!見ず知らずの、何も知らない人たちの事だって・・・大切に、安全に送り届けるのが新幹線だっ!!僕の大好きなE5の姿で、そんな事を言うなぁぁ!!!』 ・・・それは良いんですがね? 此処まで来て、やっとビーナ当人が廃棄データ群に引き摺られて居る事を白状した、と言うのは話の骨を折るには十分な仕出かしかと思われます。 事前にそうかもしれないとは前置きはあったにせよ、です。 正しかろうが悪かろうが、何かを為すのは各々の意志ありき・・・と散々私見を述べて居る身からすれば、今更言い訳めいた事を宣うばかりか、介錯までせがむのは、どうにも乗り切れない所でした。 取り敢えず、家族のよしみと言う形で、タイセイはビーナの願いを幾つも叶え。 彼女自身の阻止と、彼女の理想の体現者となった事で・・・運転士としてもその使命を終える事となりました。 皮肉な話ですが、テンダーとビーナの大暴れを目の当たりにした事で、ネットワーク環境が継続する限りは、アンノウン出現は不可避とされ、ERDAの存続はおろかシンカリオンの運用継続も正式に決定されてしまいます。 『お前はもう少し年相応の大人になった方が良いと思うぞ・・・?』 他運転士達の配備も継続となる中で、タイセイは唯一人裏方へと回って行くのですが。 『タイセイ君以外の皆は、今後も運転士としてやっていけるのに、一人だけ・・・』 『大丈夫だろ?二人共心配し過ぎだって?アイツはもーウジウジと悩む様な奴じゃねーよ?』 『リョータ』 『な、何だよ』 『生意気ぃ』 『あふ』 これからもタイセイが歩み続ける内に、新たな脅威が現れるやもしれませんが。 『平和と安全を守るシンカリオン・・・そのシンカリオンを護る整備士って、カッコ良いとは思わない?』 その時もタイセイは、自らの領分で戦い続けるのでしょう・・・何処かで見守るビーナに恥じない形にて。 ・・・最早次等当面考えられぬ始末に関しては、これをもって書き収めとはしますけれども。 やっぱりあんまりな話ですなぁ・・・悪い筋書にぶちあたると、並み大抵の事では復調なんて無理と言う現実ってのは。 ・・・受け手として、こうしてせめてもの抵抗はさせて頂きますよ? 勝手をやらかしてヘマを仕出かす書き手も存在するのだと、記する事でね。 #
by zendam
| 2025-02-02 19:16
| レビュー
|
Comments(0)
*現在サンテレビにて再放送中の番組です。関西以外在住の皆様は、バンダイチャンネル他をご利用の上、視聴の機会を得られれば、大変幸いです。 相手を他人以上と意識し出すのに、時間とかきっかけとかはあんまり関係が無いものだな・・・とか感慨深くなるには、ヒイロとリリーナは余りにエキセントリックなやり取りばっかり繰り広げて居ますし、今日までですらまだ序の口でござい(お ともあれ、ドクターJの語る所は大体真実であり、ヒイロ自身が困惑する程の慈しみをもってリリーナ達は救われ、OZは“大事の前”に無駄な出血をするだけに終わっております。 後顧の憂いを断つ意味では、レディ・アンの挙動は外道なれども解らない話では無いにせよ、矢張り本命前に雑に事を仕出かし過ぎて居ます。 ・・・まあだからこそ、ロボットアニメの悪党として相応しいと言うものですがね! ヨゴレだろうが何だろうが、活躍の場を支度してこそのものなのですから。 安易に“生身の殺し屋”とか使うのは塵筋かつクズの所業なのですよ本当に・・・。 『勝手な事ばかり言って・・・御父様が何の為に亡くなられたのか、誰も解って居ないわ・・・!!』 前話において、ドクターJのツテをもって無事に脱出を果たしたリリーナは、そのまま独りで(正確には駆けつけた運転士のパーガンに迎えられ・・・尚彼もピースクラフト縁の人材だったり)帰宅を果たし。 『ごめんなさい・・・御父様を助けられ無くて・・・』 『いいえ、貴女が無事だっただけでも良かったわ・・・何時か、こんな日が来る様な気はしていました・・・』 涙に暮れるドーリアン夫人と対面を果たすのですが。 『いいえ、御父様は何も』 『・・・リリーナ、貴女にお話があります』 リリーナの虚偽を真に受けてしまい、意を決して真実を語り出した彼女を、リリーナは縋って留めてしまいます。 『お母様!!』 『リリーナ・・・?!』 良くも解らない因縁よりも、今日まで育ててくれた両親こそが真実・・・であって欲しかったのでしょうが。 それも程無く意味を為さず、父の後を追う事については・・・隠し通せる程に気丈な娘でした。 〈嗚呼、彼は優秀な人物だったからね、得てして、そう言う人物こそ“新しい時代”の犠牲になるものだ〉 勿論レディ・アン共OZの脅威も忘れては居ませんでしたが・・・適当にドーリアン外務次官に罪をおっ被せて、参考人だの理屈をつけてリリーナを先回りして確保・・・すら出来ない奴とヒイロでは役者が違うとでも見下していた事でしょう。 『・・・ところでレディ・アン?まだ此方には帰って来ないつもりかね?』 どうにもレディ・アン、仕事が出来る事は間違い無いにしても要所要所で力技っつーか雑い所があり、ちっともエレガントな奴では無いのですが・・・まあそこもトレーズは愛いもの扱いしていたんでしょう。 〈は、やり残した事があります、もう暫く時間を下さい〉 『ドーリアンの娘か、君が仕損じるとは珍しいじゃないか』 手段はともあれ、幾らか遠回りしてでも己の理想を体現してくれる者としては。 『また戦いに行くの?次の任務は何処かしら?』 後、どうせ殺されるならばヒイロの憂いを断つ形で、とかリリーナも贅沢な事考えて居た様で、荷支度をしていたヒイロ目掛けて直接来訪。 『?!』 『貴方でも驚く事あるのね、私は初めて貴方に会った時から、驚かされてばかりだけど・・・此処で私を殺したらまた騒ぎになるわ、それは困るのでは無くて?』 挙句ドクターJとも接触した事すら口走る等、増々ヒイロが目が離せなく為るように仕立てるものでした。 『折角の学園祭ですもの、貴方も楽しんで行って・・・せめて、ダンスが終わるまで・・・』 ヒイロならばしない・・・では無くヒイロならば良い。 信頼とするには悍ましく、愛と呼ぶには重過ぎるリリーナの想いを喰らって、さしものヒイロも圧倒され困惑を隠せないものです。 『この子、怖いって事を知らないの・・・死なのね、死を呼んでるんだわ・・・』 ちなみにこれでも、ハナから戦場暮らしが長過ぎて命惜しさがまるで培われて居ないトロワよりも遥かにマシな方ではありましたけど。 ・・・こうヒイロとリリーナが命懸けでいちゃついている間にも、五飛は空母共々軍港を灰にしたりと、あっちこっちで情勢が動いて居ますけど・・・まあそれも次回で一回集約されていくものです。 『お元気になられたのねぇ』 同級生からは父の死を気丈に乗り越えんとするリリーナと、それを励ますべくパーティー会場で似合わぬ舞踏に挑むヒイロと、ある意味で互いの真剣さ故に絵になる光景を見る羽目になっておりました。 ・・・尚約一名、ドーリアン夫人が支度していた、リリーナのドレス姿を幻視する様な強者が居りましたが、君宇宙世紀生まれで無くて良かったね(コラ 『ヒイロ、私は知り過ぎたわ、やっぱり殺されるのね』 『ああ』 『何も解らないまま死ぬのは嫌だった、でも今は違う・・・貴方が戦う気持ちが解るの』 『私も、今ヒイロと戦って居る・・・』 『俺と・・・何だ?! あれはOZのモビルスーツ輸送機?!此処が発見されたのか?!』 態々それに茶々入れて来るのがレディ・アンの愚かしさよ。 〈しかし余り気が進みません、武器の無い民間施設を攻撃する等・・・〉 しかもモビルスーツを投入して賓客生徒諸共焼き払うとか、如何にOZ将兵と言えども尻込みする様な大ざっぱぶりです。 〈な、何故ですか?!〉 『そんな甘い事では、自分だけで無く部下も無益に死なせる!その様な者に指揮は任せられん!』 ・・・一応トレーズは事前に、ガンダムと接敵した場合に備えて、等と嘯いていたものの、既に傍にウイングガンダムが隠匿されている可能性までは、レディ・アンには伝えておりません。 ・・・偶に話さんでも解ってくれるとか、トレーズも無体な真似するからなぁ。 『あれは、軍のモビルスーツ・・・こんな所で戦えだなんて・・・!』 こうしてヒイロ、なし崩しに迎撃戦に突入してしまうも、先に基地襲撃を実行した後の補給整備が不十分ではありました。 『リーオー、エアリーズ共、ノーマルタイプ確認!』 『何故こんな所に敵機が居るんだぁ?!』 主武装であるバスターライフルも即時投棄していますが、コイツはフルパワー運用だと3発が限界と言う難点があり、“アーリーモデル”の様な外部弾倉もTV版には存在しません。 『トレーズ特佐の予言通り、矢張りアレなのか・・・?!』 よってこの後は主に白兵戦を実施していますが、本機の場合はシールド内部に一本のみ格納され、中折れして飛び出すと言うちょっと変わった形式。 『装備が重過ぎるんだ!!』 いずれにしても、今更リーオーだのエアリーズだのに後れを取る事は無いのですが・・・流れ弾がリリーナの至近に飛び込んだ辺りで一気に流れが変わってしまいます。 『あ・・・何をしているんだ俺は・・・コイツは、死んでくれた方が良い“筈”なのに・・・?!』 何とヒイロは咄嗟の事とはいえ、ウイングガンダムを翻してしまった。 シールドを建造物に突き刺してリリーナの瓦礫避けに使ってしまう等、もう言い訳し様が無い仕草を繰り返してしまって居ます。 『何?ガンダムがドーリアンの娘を庇っているだと・・・?!』 尚ヒイロ当人はおろかリリーナは無論、レディ・アン共も混乱を隠せずに居ましたが、これで無理した報いは死しか無し。 『ヒイロ・・・ヒイロなの?』 『何故・・・何故だ・・・何故なんだぁ?!』 『あー?!』 空戦機だとしても、一発でエアリーズの頭部胴体がひしゃげる程に強靭であり、立派な兵器である事をこれでもかと示すものでした。 『ぜ、全機全滅です!』 『えーいならば私が出る!!』 もしくは諸共に破滅するまで、とも・・・? 『ヒイロ!ヒイロなのでしょう?!返事をしてヒイロ!!何故私を助けてくれたの?!』 (そうだ・・・何故助けた?コイツは知り過ぎて居る・・・) どうあれ、トレーズの気紛れで、リリーナの危険は一つだけ去ったものの、ヒイロ当人から狙われている事には変わり無し。 リリーナの方から煽る様な風に見えちゃうのは、彼女のクソ度胸のせいとは言え(汗 『ヒイロ・・・』 『何故・・・“殺せない”んだ?!』 ところがヒイロ、態々戻って殺害を試みても、結局の所躊躇いが生じたか仕損じており(動じず待って居たリリーナも肝が据わり過ぎです)、これ以上の拘泥は任務に支障、とでも言い訳したか、逃げる様にウイングガンダムは飛び去ってしまうのでした。 人としても兵器としても不全である今のヒイロですが、それを真正面から捉えて見つめて来るリリーナの存在が明らかに転機になってしまっています。 それを次話でのやらかして大いに痛感する羽目になる・・・兵器であれば良い様に使われた事に、苦しむ事等無いと言うものです。 〈ガンダムの手による、連合軍の抹殺・・・トレーズの罠が、新たな流血の時代を創る・・・〉 全てはトレーズ傘下のOZ及び、それを糸引くロームフェラ財団の策略が大当たりしたせい。 彼等もドクターJらと同等かそれ以上の年月と犠牲を払って、爪を隠し通していた訳です。 #
by zendam
| 2025-02-02 16:52
| レビュー
|
Comments(0)
*テレ東系列にて放送中の番組です。未対応地区の皆様は、バンダイチャンネル他をご利用の上、視聴の機会を得られれば幸いです。 イナからレイジ&テンダーに、続いてビーナと頻繁に矛先を変えてしまうと、如何に成長をし様が心持ちを整えるのに難儀するのは当然です。 残念ですが、無駄に話を入り組ませている、と言う風に称する他ありますまい。 『この世界の平和と安全の為には、やるべき事をやらなくてはならない』 『それって・・・!』 『済まない、タイセイ・・・』 現時点で収集されている状況証拠だけでも、ビーナが主体となって人類社会に弓引いている事は明白であり、高輪もコレの討伐をもって事を収める他無しと断じる以外に道は無かった。 ・・・ERDAはその意味で、相対勢力とのチャンネルが存在しない、大分貧弱な組織なのです。 『え?』 全部仕組んでいたイザやそれを利用していたキリンが正直異常であり、彼等との繋がりすら最期まで活かしたハヤト達が大業を為したものなのです。 直接殴り込んで現地で渡りをつけたシン達も、結構なものでしたけど・・・全てにおいて後手に回り過ぎたタイセイ達では、只々情勢に流されるしか無かったのです。 『私達の答えを出すの』 レイジの様に過去から襲い来る者すら居たのですからなぁ。 『ビーナと言うAIは、テンダーの役目を継ごうとしていた様だ・・・膨大な数のデータを制御出来たのは、テンダーと言う突出した能力を持ったAIだったからこそ・・・』 唯、タイセイも覚悟の決まった男であり、ビーナとの対決が不可避な情勢だろうが運転士としての資格喪失の兆しはゼロ。 一応イナも現場検証・・・しかもレイジすら、消滅しかけたメタバースに呼び込むと言う大分暴挙まで仕出かして、ビーナの痕跡を洗った上で匙を投げたのです。 廃棄データ群が志向性をもって活動出来たのは、他でも無いテンダーのスペックありきのものでしか無く、如何に情緒豊かだろうが一介のAIに過ぎないビーナでは、即時飲み込まれて乗っ取られる他無かったと。 その上廃棄データ群への同情心は本物であるからには、最早分離だの正常化だの言える状況には無いと・・・。 『ビーナをどうにかしないと、てのは解ってるっす・・・でも俺タイセイの想いも、大切にしたいんすよ・・・これって、タイセイに託して自分で決断する事から、逃げてんすかね・・・?』 『いいんすか・・・?』 『託す事も、相手を信用して居ないと出来ない、大きな決断だ・・・そもそも君は逃げる様な奴じゃ無いだろ?俺と戦って居た時も、ずっと止めようとしてくれていたじゃないか』 その影には、未だ歩く事すらままならぬレイジのお節介もありましたが、敵だからこそ彼等のひた向きさが知れるのだと、後押しもあった形です。 『でもそれはさ!他の人の意見じゃん!ビーナは大事な仲間だけど、ヤベぇ事すんなら止めないと!』 『でも、僕達以上に大事に想って居る人が居る、その想いを無視する事は出来ない!』 ・・・まあそりゃあ良いんでしょうがね、マイとかの立場とかもちょっとはさ・・・。 尚相変わらずタイミングはスレスレであり、このまま及び腰かつ何も見定めぬままであれば、間違い無くタイセイは敗れて居た事でしょう。 『納得するまで付き合う!さっきそう決めた!』 『ビーナを諦めたく無いなら、一緒にその方法を考えるし、戦うと決めたなら僕等も頑張るさ!』 『そんな・・・でも・・・っ?!』 今度はビーナそのものが、廃棄データ群の中核となって大宮に迫るのですが、今回は最早上半身だけの獣人、とも言うべき怪異に成り果てて居たのです。 『だけど・・・』 『選んだ先が正解かどうかなんて、誰にも解らない・・・何なら、後悔をする事だって沢山ある・・・それでも、自分で悩み考えて、選ぶからこそ、納得出来るものになるんだろ?』 『僕は、ビーナと向き合う為に、シンカリオンに乗ります!!』 ・・・まあ流石にラスボスなんで取り付く島もない始末でして。 渦巻く廃棄データ群から本体が生えて居る様な形なのですが、これらはシンカリオンを片手で殴り飛ばせる程の強度はあるし、任意に形を変えて襲い来る事すらある。 タイセイ達大宮配属組が挑んだ所で、今度は恨み節すら寄越さぬ容赦の無さを前に、E5も握り潰される寸前まで追い込まれてます。 しかし此処から先は、モリト以下各地からの増派が順次間に合って居ます。 何よりも彼ら、言われるまでも無く、タイセイの願いを叶えるべく各自が示し合わせ、あくまでも彼による“対話”の実施を試みたものでした。 『ビーナさん、もうテン君って呼んでくれないのかな・・・』 〈テンきゅーん!〉 『ヤマト先輩!!』 どうにも不格好なリレーみたいな形ではあったものの、E5が囚われて居る状況で包囲攻撃はどの道無理筋であり。 『ワイ毎飛ばせぇ!!』 『はい!新技ですっ!』 〈五稜郭流、ジャイアントスイングっ!!〉 錯乱を仕掛けつつタイセイの脱出を促すと言う意味では、正解と言えました。 『託すで、いけるな?!』 廃棄データ群は明白な形を保てぬまま、唯の奔流としてモリト達を襲うも、ある意味それが功を奏した所もあります。 シンカリオン単機を追い縋る事は出来ても、其処から何かしら仕出かす術が無いのです。 『単刀直入に言おう・・・後輩ばかり、働かせる訳にはいかんっ!!』 また根っこにビーナが居る事も有って、テン達を本気で害する気概も浅くなりがちで。 ヤマトやシオンの突拍子も無いアドリブへも対処出来ず、ツクモに至っては逆に波乗りの要領で肉薄を許してしまう程。 そしてガンマのど根性による復帰の速さも然る事ながら。 『リョータ!!』 『おうよっ!!かましてやんよ!』 何としてもタイセイに本懐を遂げさせるのだと言う、リョータとアカネのフォローが実った事で。 『君は何時だって、想いを大切にしてくれたっ!』 『だからお前の答えを待つよ!』 『『『届けぇぇ!!』』』 『これは、皆の僕への想い・・・はあぁぁぁっ!!!』 『ビーナ!答えてよ!!』 〈▲▲▲!!!〉 後はもう只管ドギツイ対話あるのみの情勢であり、予告内容によればSRGも再投入、レイジも黙って見ては居ない様ですが・・・まあもうちょっと戦闘面での密度は上げるべきでしたな。 大分よしみで見て居る所もありますが、この調子であらばタイセイ達の終点もそう悪いものになる事は無さそうです。 ですが良いと言える程に転じる余地は・・・難しい所でしょうな。 #
by zendam
| 2025-01-26 19:27
| レビュー
|
Comments(0)
*現在サンテレビにて再放送中の番組です。関西以外在住の皆様は、バンダイチャンネル他をご利用の上、視聴の機会を得られれば、大変幸いです。 早くもリリーナも話の主軸に入って来るものですが、それは彼女自身の運やカリスマから来る所もあるのに加えて、存外作中世界の世間が狭いっつーか込み入ってると言うか・・・。 今話も詰め込んだ描写が結構あったもので、世界各地で各々動いてるんでちょっと目を離すと消息を見失いますガチで(汗 まあそうした困惑も脇にやれる程度には、話そのものの勢いはあるんで然して問題にはならんのですが。 『快適な旅になると良いですわね・・・世話話くらい宜しいのではありませんか?』 『スペシャルズの将校殿と合う話題等、私は持ち合わせて居ない・・・!』 前話において、トレーズのバスタイムにまで帯同する様なムッツリ、もとい距離が近かった女士官レディ・アン。 『随分な御言葉ですね、貴方の監視役は上からの命令でして、私に敵意を持たれても困ります・・・』 今後作中はおろか戦後でも、馬車馬のように走り回る事となる者ではありますが、その出自や実際の立場に関しては色々曖昧な所が残って居ます。 唯ゼクスの活躍を称える有様に僅かに顔を顰めて居た様に、彼女は彼らより後にトレーズに拾われた身・・・それもゲリラ出身だったのでは無いか、なんて話もあります。 彼女にとってはトレーズの命を遂行し、その大望を果たすに繋がる働きを為す事が全てであり、その為にはどんな汚い手も辞さないのですが・・・どうにもその苛烈さは、必ずしもトレーズの真意に沿う結果を生むとは限らず、後から随分強引に“矯正”を己に施す程でした。 『ターゲット、北太平洋OZ補給基地、任務了解・・・!』 レディ・アンの魔の手が迫る中でも、普通にヒイロは偽装生活の只中で任務に勤しむものでしたがそれはさておき。 己の仕事の傍らにリリーナを帯同させ続けた辺り、ドーリアン外務次官は何処までも世間への見聞を広めて貰って先の糧として貰いたいがだけで、その身の“真実”に関しては墓の下まで・・・は過言だとしても、成人して分別がつく頃までは秘めて居た筈だったのです。 『ああ、これはあの方の?』 それがレディ・アンの手による暗殺によって、台無しにはなったんですが・・・その段取りは滅茶苦茶なものとなってしまいます。 『すみません!あの、これ、お忘れになりませんでしたか?』 本来なら化粧用具に偽装した爆薬で諸共に始末する筈が、止せば良いのにシャトルで乗り合わせた際にも表に出してしまっており、それを目敏く見て居たリリーナが態々忘れ物として直ぐ傍まで! 『ああ?!何て事をぉぉ?!』 レディ・アン振りかぶって投げるぅ!! お蔭でリリーナ共々自爆する末路だけは回避したものの、これはもうエレガント云々以前に大失敗極まるもんでしょう。 『私とした事が・・・あの娘を捕らえろ!抵抗するなら殺せっ!!』 シリアスな哂いと言う他無い醜態でしたが、割と歴史の重大毎も、偶然やアホみたいな切っ掛けで引き起こる事があるものでした。 『え?!』 更にレディ・アンのミスは続くもので、リリーナの確保に失敗、つまりは暗殺の現場を目撃されてそのままにしてしまったのです。 『どうだ?!』 『他の者は全員駄目です!!』 と言うか爆破の瞬間OZの将兵も一人、リリーナの盾になって庇って居た始末でしたからな・・・。 そして悪党には星なんて巡らんと言わんばかりに、戻ったリリーナとほぼ同時に謎の武装集団が突入。 辛うじて息があったドーリアン外務次官共々、リリーナはOZの追撃から九死に一生を得たのです。 『駄目です御父様!じっとしていて!!』 まあ無事で居られたのは彼女のみで、ドーリアン外務次官は非業の死を遂げるのですが、その前にとんでもない話をリリーナに託して来ます。 『え・・・』 『貴女の本当の名は、リリーナ・ピースクラフト・・・かつて、“完全平和主義”を唱えた、ピースクラフト家の御息女です・・・』 前話でノインが口にしていたピースクラフトの名・・・それこそがリリーナの真名であり、己は亡国の家臣に過ぎず父の立場を偽って居たのだと。 『何を言っているの・・・?!』 『私はその国に代々仕えた元老院の一人・・・しかし、連合に王国は滅ぼされ、逃げ延びた私が、貴女を娘として・・・』 『そんなの嘘よぉ!!』 リリーナは信じ難い話を前に絶叫し。 『OZに・・・OZに、気を付けて・・・うぅ・・・』 『お父様?! お父様!!嫌ぁぁぁ!!!』 泣き崩れる程度には・・・彼はリリーナにとっての真の家族を演じ切ったものでした。 『モビルスーツの修理、終わったぜ』 『サンキュー!助かった!』 そうこうしている間でも、地球ではヒイロ達が暴れ回り、トールギスも組み上げられつつあると大分視点が散らかっているのですが・・・実はこの辺りで割と無視出来ない連中が顔を出して居ます。 デュオに力添えしていたアロハシャツのジジイ・・・実はハワードと言うれっきとした技術者であり、他でも無いトールギスの背部ブースター他、推進関連システムを構築した輩だったのです。 その本業は外宇宙航行用エンジン開発にあったとされ、その集大成は終盤姿を見せるのですがそれは後日として。 『勝手な考えだわ!貴方達だって、父を病院に連れて行かず殺してしまったのに!』 『だから病院は・・・』 『止めないか・・・本当に、申し訳ありませんでした・・・』 その同輩にして、他でも無いトールギス・・・そしてガンダムをも生み出したマッドサイエンティストと、偶然ながらリリーナは対面する事となったのです。 『ヒイロじゃと?』 ドクターJ事、ジェイと呼ばれたこの男は、指導者としてのヒイロ・ユイの学友であり支持者でもあったとされます。 『彼を?! ヒイロ・ユイを知っているのですか?!』 『その通りじゃ、いやしかしドーリアン氏の娘さんが、ヒイロと同じ学校とは驚きじゃな、元気でやっとるかな奴は?』 『アイツは儂等の代弁者じゃ』 『代弁者?』 『どうしてそんな事を・・・』 『解らんのか?コロニーの平和の為に、じゃよ』 ヒイロ・ユイ暗殺の報復として、大量破壊兵器たるガンダムを建造し、それを操れるパイロットを育成するまではしても。 『そんな!人を殺す事が、平和に繋がる筈がありませんわ・・・!』 彼等に為させる事は無軌道な破壊と殺戮等では無く、ターゲットを絞った形でのものとした。 『繋がるんじゃよ。戦争は“人によって起こり、人によって終わらせられる”・・・ヒイロに狙わせているのは、戦争を始めようとする、悪魔の様な奴等なんじゃ』 “真のオペレーション・メテオ”を台無しにした張本人の一人だったのです・・・ついでにヒイロの自死用炸薬を抜いていたのもコイツだとか。 『OZ・・・』 『知っておるのか』 『父が最期に言っておりました・・・OZに気を付けろと・・・では、ヒイロ君に狙わせて居るのは?!』 最早コロニーと地球が事を構える事を不可避と知りながらも、その手段としては迂遠で不確実・・・何だったら“敗者”になりかねない始末を繰り返して居るのも、彼等個人の拘りに来るものだったのです。 この期に及んでも人間に見切りをつける事だけはしていなかったのです・・・だからヒイロにかつての偉大な英雄の名を継がせる様な、浪漫めいた事もしたのです。 『でも・・・でもどうして、その役目がヒイロ何ですか?何故彼にそこまでさせなければいけないのですか?』 事実、今日までのヒイロの振る舞いはとても殺人マシンとしては相応しく無いものばかりでした。 リリーナを何度仕留め損ねたか、そもそも本当に悪意ある者ならば、無言で殺しにかかるものと、今日リリーナも思い知った事です。 『どうして私を助けてくれたのですか?私がドーリアンの・・・“ドーリアンの娘”だから、ですか?』 『いいや、お嬢さんがヒイロと同じ目をしていたからじゃよ、純粋で優しい目じゃ・・・アイツは本当は“優しくて良い子”なんじゃよ』 『・・・知って居ます』 『もうヒイロは“誰にも”止められない・・・死にたく無ければ近付かない事じゃ・・・』 そんなヒイロと同じ気配を、リリーナに感じる等と宣ったドクターJは、流石の慧眼と言えました。 『ふ、借りは返したぞ・・・ははは!』 『糞ぉ!ふざけやがって?!』 (お父様・・・私は何時までも、ドーリアンの娘ですわ・・・) そしてリリーナも最早、唯の小娘として生きる事等出来やしないと、気丈なまでに立ち振る舞ってしまうもの。 それ程のまでの覚悟を目覚めさせてしまったのは、ドーリアン外務次官の命をもってしてと言うのは大変な皮肉でしたが。 リリーナは彼からの愛を終生忘れる事無く、戦後もその名を捨てる事は無かったのです。 尚皮肉な事でレディ・アンとの付き合いも戦後まで継続する羽目となりますけど、この時は全力で失態のカバーをすべく、大分雑な事仕出かす奴ではありました。 まあそれを更に雑と言うか超絶強引に叩き伏せてしまう辺り、ヒイロは矢張り根本的に戦いには向いて居ない少年だったのでしょう。 しかし戦う意思が無いかと言われれば断じてノウ。 〈新機動戦記ガンダムW第6話「パーティ・ナイト」〉 託された意義を果たす義理はありますし何よりも・・・リリーナの存在そのものが意味となってしまうまで、然して時間はかからないものでした。 #
by zendam
| 2025-01-26 16:25
| レビュー
|
Comments(0)
|
ファン申請 |
||