|
カテゴリ
以前の記事
2025年 11月 2025年 10月 2025年 09月 2025年 08月 2025年 07月 2025年 06月 2025年 05月 2025年 04月 2025年 03月 2025年 02月 2025年 01月 2024年 12月 2024年 11月 2024年 10月 2024年 09月 2024年 08月 2024年 07月 2024年 06月 2024年 05月 2024年 04月 2024年 03月 2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 2023年 05月 2023年 04月 2023年 03月 2023年 02月 2023年 01月 2022年 12月 2022年 11月 2022年 10月 2022年 09月 2022年 08月 2022年 07月 2022年 06月 2022年 05月 2022年 04月 2022年 03月 2022年 02月 2022年 01月 2021年 12月 2021年 11月 2021年 10月 2021年 09月 2021年 08月 2021年 07月 2021年 06月 2021年 05月 2021年 04月 2021年 03月 2021年 02月 2021年 01月 2020年 12月 2020年 11月 2020年 10月 2020年 09月 2020年 08月 2020年 07月 2020年 06月 2020年 05月 2020年 04月 2020年 03月 2020年 02月 2020年 01月 2019年 12月 2019年 11月 2019年 10月 2019年 09月 2019年 08月 2019年 07月 2019年 06月 2019年 05月 2019年 04月 2019年 03月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 12月 2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 2018年 06月 2018年 05月 2018年 04月 2018年 03月 2018年 02月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 09月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 08月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 05月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 お気に入りブログ
最新のコメント
最新のトラックバック
検索
タグ
最新の記事
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
*批判注意 *現在サンテレビにて再放送中の番組です。関西以外在住の皆様は、バンダイチャンネル他をご利用の上、視聴の機会を得られれば幸いです。 何遍見ても酷過ぎる話運びだ事! 収拾がつかなくなったからって、主人公含めこうまでぞんざいに始末する事は無かろうに・・・。 イデオンとかダンバインでの経緯もあるので、これもまた“皆殺しのトミノ”の宿業かと誤解されるかもしれませんが、好き好んでこんな結末をあの方は望まなかったのでしょう。 次作へ繋げる為にどうしても必要だから、止む無くやらかしたのであって・・・さもなくば、態々完全新作よりも遥かに手間暇かけて、新訳Zなんて創り出してはくれませんでしょう。 この惨たらしい末路を導いたのは、当時の作り手の無責任さに他ならない。 ・・・流石にこのザマには怒りを覚えざるを得ないものです。 『カミーユ、私の命を吸って』 『え・・・?』 『私の命を吸って。そして勝つのよ・・・』 前回最後にて、レコアを制して九死に一生を得た筈のエマは、程無く息絶えました。 良く見ると、撃破した後のパラス・アテネがヤザンの追い打ちを食らった際に爆散し、結構大きな破片が彼女を襲った様で、これが致命傷となった様です。 唯でさえ、カツやヘンケンの死に加えて、今際の時まで好き勝手やらかしていたレコアとの死別は、彼女の精根をこれでもかと摩耗させてしまったようです。 アレキサンドリア級(アレキサンドリア自体は後から吹っ飛ぶので別の艦ですな)の残骸内部で、エマは二人きりで最期を迎えたのです。 『私は見たわ。Zガンダムは人の意思を吸い込んで、自分の力にできるのよ。だから』 『そんな事』 『っ、出来るわ! そして、戦いを終わらせる・・・それを貴方がやるのよ、カミーユ・ビダン!!』 だから刺し違えて終わる事は許さない。 そうエマは訴えたかったのでしょうけど、もうカミーユはそれをマトモには受け取ってくれず、斜め上の解釈をもって最悪の末路を歩み出します・・・。 『沢山の人が、貴方を見守っているわ・・・貴方は一人じゃない」 『はい・・・エマさん・・・』 『寂しがる事は、無くてよ』 そして自らもその中に直ぐに加わると知っていたか。 エマの死に顔は酷く安らかなものであり、置き去りにされたカミーユは悲痛に泣き叫ぶしかありませんでした・・・。 『えぇい、シロッコにレーザー砲を潰させる訳にはいかん!』 戦局は最終盤へと突入していました。 グリプスの斉射をもって、ティターンズ艦隊の撃滅を狙う残存エゥーゴ艦隊でしたが、シロッコは自らコロニーレーザーへと突入してこれの阻止を試みます。 コロニーレーザーは、後年出て来る「ジェネシス」だの「メメント・モリ」みたいな理不尽な防護機構は無く、内部のレーザー発振システムを破壊さえすれば、作動を止める事は出来る事となっています。 『ぬかったな、シャア!』 『こんな所で朽ち果てる、己の身を呪うが良い!』 シャアは百式単機で果敢に防衛していたものの、幾ら何でもジ・Oとキュベレイを同時に敵に回して勝てる訳も無し。 片腕片足を吹っ飛ばされ、身動きが取れない有様に、シロッコにせよハマーンにせよ、勝ちを確信しています。 『もしも、私の元へ戻る意志があるのならば』 『何を言う!』 でもこの期に及んで未練タラッタラなのがハマーンの残念な所であり、シロッコには少しばかり欠けている人間味ではあるのでしょう。 『道を誤ったのだよ。貴様の様なニュータイプの成り損ないは、粛清される運命なのだ、解るか!?』 『まだだ、まだ終わらんよ!』 シロッコの方も、既にシャアを制したと勘違いして、思い上がりにも甚だしい事を宣っていますが・・・その油断で、ニュータイプを超越した“何か”に、文字通り潰されるんだからなアンタ・・・。 『シャアめ、居住ブロックに逃げたのか?』 事実、シャアは挟み撃ちにされた状況からまんまと離脱に成功。 距離を離した上でグリプス内部の居住施設へと、百式から降りて向かっていきます。 これは逃げたと言うか誘い込む為の策だったのでしょうか。 『あの女、自らシャアを葬ろうというのか?面白いな・・・』 ハマーンにせよシロッコにせよ、いちいちプライドが邪魔して非効率的な真似を仕出かして来る傾向を、シャアは読んだ上で博打に出ていた様です。 何か、あるいは誰か横槍入れてくれないものかと。 『大した役者だったよ、シャア・・・話し合いの余地が無いとするならば、此処がお前の死に場所になるな』 後年、「システム」として運用されていた頃には数百人程度で運用されていたそうで、その辺鑑みれば元から劇場の様な設備はあったのかもしれません。 恐らくは、元からコロニーグリプスにあった施設を、そのまま転用でもしたか。 『私は歴史の立会人に過ぎんから、そうも見えるか・・・が、シャアよりは冷静だ』 『私が冷静でないだと?』 劇場の舞台に追い立てられ、シロッコの悪戯心でスポットライトまで浴びているシャアに対して、割と遠慮の無い罵倒が飛んでいます。 『そうだよ、貴様はその手に世界を欲しがっている』 『シロッコの言う通りだろう、シャア? ならばザビ家再興に手を貸せば良い。その上で世界の事を共に考えよう』 生まれの不幸に翻弄されたシャア、もといキャスバルと言う男は、何処か都合の悪い世界を憎み、恨んで、自らの力で変革してやろうと思い上がっている節があったのかもしれません。 アニメ史上でも有名を馳せた、余りに私事に塗れた動機をもって戦い続けた復讐者(アヴェンジャー)。 結局彼は、その心の寄せる側が人類、特にスペースノイドに寄り気味なだけで、中身はハマーンやシロッコとそう違いは無い。 『っ!』 『・・・この小煩い見物人を倒してな?』 最も? その呪いめいたカリスマは本物でして・・・ハマーンめ、このタイミングでシロッコに銃を向けるとか貴女な(汗 『ハマーン、私はただ、世界を誤った方向にもって行きたくないだけだ』 『では聞くが、ザビ家を倒し、ティターンズを排除した世界で、お前は一体何をしようというのだ?』 『私が手を下さなくとも、ニュータイプへの覚醒で人類は変わる。その時を待つ・・・っ!』 しかしシャアにはシロッコ程女心が解らない。 世界を動かしうるだけの能力を持ちながらも、大いなる夢物語ばかりに目を向け、唯自分の思う様に、誰かの都合で深淵の宇宙の果てで苦渋を強いられる日々を、払拭したいと願った女の歪みを、まるで解っていない・・・。 『私に同調してくれなければ排除するだけだ。その上でザビ家を再興させる。それが解り易く、人に道を示す事になる!』 『また同じ過ちを繰り返すと、気付かんのか!』 共に居て、お互いに都合の良い世界を創って欲しい。 邪魔はしないで欲しい、敵にはならないで欲しい。 ハマーンの目的は存外単純なものでしたが、蠱毒めいたアクシズでの日々は、彼女に歳不相応な理屈や立ち回りを覚えさせてしまい、シャアもシャアでシロッコが言う様に、他のニュータイプ程察しが宜しく無く・・・結局彼らが解り合う事は、二度と無かったのです。 『世界の都合と言うものを洞察できない男は、排除すべきだ!』 『それは違う!』 と、ここでようやくカミーユの乱入です。 エマの墓標、もとい棺桶となるアレキサンドリア級残骸は、コロニーレーザー内部にまで漂流しており、そこから追いついて来るのは容易だったのです。 『本当に排除しなければならないのは、地球の重力に魂を引かれた人間達だろう?けど、そのために大勢の人間が死ぬなんて、間違ってる!』 ・・・うーん、カミーユのこれまでの戦いから得た結論としては立派なものではございますけど、その為に態々モビルスーツから降ろして、変に白兵戦めいた事をさせる必要は何処にあったのやら。 勿論、人型ロボットで延々殴り合いながら口論も続けるってのも、やり過ぎてもクドいものとは言え、ねえ?? 『愚劣な事を言う!』 『生の感情を出すようでは俗人を動かす事はできても、我々には通じんな!』 『人の心を大事にしない世界を作って、何になるんだ!』 ・・・さて、カミーユからの訴えを両者切り捨てはしたものの、ハマーンについては既に感応の果て、それが裏切られる事への恐れ故の諦め、失望から来たものである事をカミーユは知っています。 『天才の足を引っ張ることしかできなかった俗人共に何が出来た!常に世の中を動かしてきたのは、一握りの天才だ!』 しかしシロッコは違う。 この男の傲慢な感性は、本気で周りの全てを才気をもって隷属出来るものと思い込んでいる。 『ちっぽけな感傷は、世界を破滅に導くだけだ、少年!』 勿論シロッコと言う男にも愛情はあるものでしょうが、それは人間的なものとは言い難い、異質で一方的なものでしかない。 新訳Zにおいては、レコアも早々にシロッコの本質には気付いて、その内捨てられる事も察しておきながらも、付従っていた形になっていました・・・。 『貴方はまだ遣る事が在るでしょう!この戦争で、戦争で死んでいった人達は、世界が救われると思ったから死んでいったんです。僕も貴方を信じますから!』 この後、ファまで銃を手に乱入して来た事で生身での対面時間は終了。 全員何事も無く(おい)各自の機体に戻って仕切り直しと相成ります。 『君の様な若者が命を落として、それで世界が救えると思っているのか!』 ・・・この時、殆ど戦闘能力を喪失していた百式を庇いつつ、最前線で殿を張るカミーユの姿は・・・ある意味、シャアには極大の呪いとなったのでしょうか。 『新しい時代を創るのは、老人では無い!』 カミーユの様な優れたニュータイプに、望まれる様な未来を創る為には。 ありとあらゆる手段をも辞すべきでは無い。 ・・・寧ろ全ては遅過ぎたのだと、痛感する事になったのか。 『うっ、こ・・・これではエゥーゴに勝てん!』 と、言うのもグリプス内部で揃いも揃って道草食っているうちに、大局は決してしまったのです。 シャアをいびり倒していたせいで発射阻止は失敗。 普通にブライトの号令で運用されたコロニーレーザーは、ティターンズ艦隊の大半を焼き払って見せたのです。 アレキサンドリアもこの時蒸発したようで、最早悪運もこれまででした。 『逃がすか! 目の前の現実も、見えない男が!』 『賢しいだけの子供が何を言う!』 シャアと言う餌に釣られて、完全に大局を見誤ったハマーンとシロッコは間抜けそのものでした。 ハマーンも大慌てでグワンバンまで戻り、ミネバに対して退却を具申。 お蔭でこれ以上の損害は出す前に一抜け出来たものの、シロッコはそうもいかずカミーユに追い回されております。 『これであの武器は使えまい、ハマーン!』 『甘いな、シャア・・・』 ・・・しかしシャアもシャアで、百式ではもう出来る事も無かったでしょうけど、カミーユから目を離してまだハマーンにちょっかいかけているのはどうなのか。 まあ、態々撤退支援の為前線復帰したハマーンもどっこいですが、この場では彼女の手傷が一番浅い。 サラミス改級の残骸を使ってキュベレイに肉薄した事で、ファンネルからの攻撃を凌げたとかシャアは思っておりましたけど。 『何ぃ!』 『これで終わりにするか、続けるか・・・シャア!』 貴方自身、それでもアムロの猛攻を掻い潜ったでしょうに(汗 オールレンジ攻撃は誤爆の危険もあって、近距離では使えないと踏んだのは大きな誤りで、ハマーンの技量とファンネルの性能であれば、百式の残った手足だけを吹き飛ばす等造作も無かった・・・何間抜けやってんだこの男ぉ・・・。 『そんな決定権がお前にあるのか・・・っ!』 『口の利き方に気を付けてもらおっ何!?』 ですが土壇場での機転については流石赤い彗星。 もう身動きも取れず、ハマーンに嬲り者にされるしか無い筈のシャアは、キュベレイの背後でスパークする配線を発見。 一か八かそこに百式のバルカン砲を撃ち込んで誘爆を誘ってみればこれも大当たり! キュベレイを怯ませる所か、サラミス改の残骸全部を巻き込んで大爆発させております。 変な所で持っているものです彼。 『シャア、私と来てくれれば・・・っ』 こうしてハマーンは、早期に戦線離脱に成功した事で、結果的に戦力を温存して勝者になったものの。 何処までも彼女を拒絶した男を呼ぶ声色には、欠片も喜び等ありはしませんでした・・・彼女の救済はこの暫く後、死を持ってでしか齎されないものとなります。 『お前だ!いつもいつも、脇から見ているだけで、人を弄んで!』 『勝てると思うな、小僧!』 後は、シロッコがカミーユの手によって滅殺されるだけ。 ・・・いや、彼の手で?? 違いますなこれは・・・もう彼は、この場のみならず、あちらこちらの怨念を取り込んだ怪物になってしまっていた。 『許せないんだ・・・俺の命に代えても・・・身体に代えても・・・こいつだけは!』 『こいつ、何だ?!』 辛うじてジュピトリスまで辿り着きつつあったシロッコでしたが、最早追い縋るカミーユへ啖呵を切る事すら難しい。 彼とZガンダムから発せられるプレッシャーは、明らかに異常なもの。 『解る筈だ、こういう奴は生かしておいちゃいけないって!判るはずだ、皆! “皆"には解かる筈だ!』 恐るべき事に、既にカミーユの身体は彼だけのものでは無くなっていた。 それも最悪な意味で。 (焦り過ぎよ、だからいけないの) (パワーがダンチなんだよ。そん時はどうすれば良い?) 先程死んだ筈のエマが。 随分前にカミーユの手に掛かったライラが。 聞こえる筈も無い声をカミーユに届けて来るのです。 『俺の身体を、皆に貸すぞ!!』 (それで良い、カミーユ!) いや良くないからねエマよ?! カミーユも絶対やってはいけない真似をしています。 生きている人間が、その主導権を死者に渡すなんて、決してあってはならない。 それでは己の存在が曖昧になって当然です。 (現実の世界では、生き死にに拘るから、一つの事に拘るんだ) 言って来たのがカツで無ければもうちょい重みがあったのでしょうけど・・・コイツ、死んでも尚勝手でございます。 (駄目よ!) 『まだそんな事を言う!』 (サラ、お退き!) 勿論、フォウやロザミィみたく、全部が全部カミーユに手を貸す様な存在でも無く、彼の呼びかけに現れた上で、抵抗するサラみたいなのも居れば、しれっとカミーユ側に居るレコアみたいなのまで(汗 カツの事をまるで笑えぬ奔放さです。 (カミーユが見ているものを、見てご覧よ。あの中に居る人だって、直ぐ、こうして溶け合えるんだ・・・) (本当?) (ああ) 『ぜ、Zが・・・どうしたんだ!? 私の知らない武器が内蔵されているのか?!』 しかもサラまで、カツの甘言に乗っかって結局助力してくれるように。 やる気満々でシロッコも連れて行こうとする気配を、少しは彼も感じた事でしょうな。 『解るまい・・・戦争を遊びにしているシロッコには。この、俺の身体を通して出る力が!!』 『身体を通して出る力・・・そんなものが、モビルスーツを倒せるものかぁぁぁ!』 解ってたまるか。 出てたまるものか。 もうカミーユは、人間としてとっくに限界を超えてやらかしていたのです。 確かにシロッコは、もうこの段階で“後継者”を支度していた悪辣さはあれども。 間違っても人を辞めてまで倒すべき巨悪等では・・・無い。 私はそこは断言しておきたい。 カミーユはやり過ぎた。 余りに死者に寄り添い過ぎた故、自ら招いた末路がこれなのです。 (カミーユはその力を表現してくれるマシーンに乗っている) (Zガンダムにね・・・) 『女の声!?』 最早、よってたかって圧殺されるのはシロッコの方。 ジ・O自体も、機体の基本性能の高さ以外、前部装甲隠し腕くらいしか面白みは無いモビルスーツであり、この理不尽を押し切れる様な兵装は無かったのは不幸でした。 『まだ、抵抗するのなら! ぉぉぉぉぉ!』 『ジ・O、動け!ジ・O、なぜ動かん! うっ・・・うぉ、うぉぉ!?』 一応後年。 Zガンダム同様に機体制御に用いていたジ・Oのバイオセンサーが、カミーユ達の思念によって制圧されオーバーヒート。 これにより一切の制御を失っていたらしいのですが・・・もうここまで来るとオカルト全開であり、下手糞な言い訳にしか・・・。 『ここから、いなくなれぇ!!!』 そしてシロッコの最期は、全速力で突撃して来たウェーブライダーの機首に潰され圧死と言う、惨たらしいものとなったのです。 『私だけが、死ぬ訳が無い・・・貴様の心も、一緒に連れて行く、カミーユ・ビダン・・・』 シロッコの死体は、ジ・Oと衝突して轟沈したジュピトリス諸共瞬く間に消え去ったものの、それでも死に際に最期の悪あがきをしていた様です。 もっとも、あんな真似をしたのですからどの道カミーユはマトモでは居られなかった。 寧ろマトモだった場合今度はハマーンの方に突っ込んで相打ちもしくは敗死もありえた事でしょう。 『・・・あ? 大きな星が点いたり消えたりしている・・・はははは、大きい!彗星かなぁ? いや、違う、違うな? 彗星はもっと、バァーって動くもんな!』 辛うじてファが見つけ出した時、Zガンダムはウェーブライダーのまま漂流しており、内部のカミーユは死んでこそいなかったものの、それだけ。 彼の精神は、この最期の一戦をもって砕け散ってしまったのです。 『暑苦しいな、此処・・・ふぅ、 出られないのかな?おぉい、出してくださいよ、ねぇ・・・』 『あぁ・・・』 ファは生きているだけの、抜け殻となったカミーユの有様に嘆くものの、泣き喚く暇も無くウェーブライダーを抱え、惨めにアーガマへと帰還していきます。 シロッコが死んだ事で完全にティターンズは崩壊。 アクシズも退却したものの、エゥーゴ側は主力戦力の大半を喪失し、組織的行動は当面不可能な有様でした。 これにより、地球圏はもうマトモにハマーンの野望を阻止し得る存在を欠いた、かに思われました・・・。 『・・・そう、お前もアーガマに帰りたいのね?』 主を喪ったMK-IIの残骸を横切っていくファ。 そして戦域から遠く離れた場所では、コクピットが空になった百式の残骸が漂っていました。 ・・・シャアはカミーユの心が壊れた事を察したと言います。 彼はこれをもって、現行人類に見切りをつけてしまったとも言われます。 幾ら優れた素養あるニュータイプが居ても、世界が愚かしいままではカミーユの様に潰れ潰されていくばかり。 ・・・ならば、と。 ハマーンが死ぬまで息を潜め、再び地球圏へ動乱を呼び込む事となるのですが、それは当面先の話となります・・・。 それにしても本当に酷い話だった! リアルタイムで参照されていた方にとっては、この時のフラストレーションが新たなガンダムないしロボットアニメ創造に繋がった部分も、あるのやもしれませんけど・・・。 私達はまだ良い方です。 幾つもの慰めめいた展開や世界を知っているのだから。 ジェリドを返り討ちにしてフォウを救ったり。 そのジェリドとすら数多の対決の果てに和解を果たしたり。 とある男の強化人間とシャアをダシにからかい合ったり。 この余りに惨たらしい結末を嫌だと想う者あればこそ、そんなもしもの未来がカミーユに示されています。 そしてそれは他でも無い、富野御大からも齎されています。 幾ら何でも厳し過ぎたと、彼をして言わしめたのだから相当です・・・。 『女たちの所に、戻るんだぁ!!!』 『お、女だと・・・?』 新訳Z。 富野監督自らが手掛けた本作の総集編映画で、新旧作画の入り混じった歪な作品であるのは否めないものの、その結末については大幅に違うのです。 フォウとは一度きりで死別、ロザミィもロザミアのまま倒し。 シャアもダカールの演説を行っていない可能性があると、細かい差異もあるのですが、特に大きいのはクライマックスから後。 カミーユの内側から発せられたプレッシャーが、ノーマルスーツのバイザーすら砕く所は、銀幕の前にて“嗚呼、駄目だ・・・”と絶望したものですがそれも一瞬。 『・・・メットを交換する!』 どうやら新訳Zにおいては、サラやレコアとかがとても頑張って、シロッコをあの世送りにしたようで、奴もイラン事している暇は皆無だった様。 ジ・Oとジュピトリスが諸共に消し飛んでいく中、その輝きに照らされながら、ゆっくりとウェーブライダーは変形していったのです。 まるで、傍に居るファに人として戻っていくかのように。 最期は拳を握りしめ、背部バインダーまで全部排除して、五体満足でその機能を停止したのです。 『ファだけは、幻覚でも無ければ、意識だけの存在でもないんだ・・・こうやって、抱く事が出来る・・・」 『カミーユだって、私が抱けるから、嬉しいのよ?』 後は互いの生残を全身をもって喜び合う男女が居るだけ。 彼らの歓喜の有様をアーガマクルーが茶化しつつ幕は下りていくのですが、この結末の後に何が待つのかは、解っていませんし御大も考える事は無さそうです。 何せ、こっちのハマーンは軍勢の地球圏撤退を実行しており、ミネバだけは留学と称して地球に残すと言う、中々に捻った動きを見せているのです。 シャアの事もあっさり諦めていた様ですし、あるならばもっとマシな未来を、ハマーンも築ければ良いのですが・・・。 と、ちょっとした逃避はこれまでとして。 この後、宇宙世紀の基本的な流れとしては、ハマーンさえ居なくなれば後はどうとでもなります(酷 シャアも後年の決起演説の際、ほんの僅かしか彼女の末路に触れなかった様に、ここからのネオ・ジオン勃興と滅亡については抜かしても別に問題は無し。 ですがそれでは。 ハマーンと対峙し彼女を討ち果たした、新たなニュータイプの物語は語られず仕舞になります。 それは余りにもったいの無い話・・・と言う訳で来週どころか、本話放送直後の23日より、続編たる「機動戦士ガンダムZZ」がスタートしてしまいました・・・いや本当どうしたサンテレビ(汗 尚、1話は別に見なくて良いものです、いや本当に総集編以下ですから・・・。 明るいガンダムだの嘯いてはいるものの、実際には本作と然して変わらぬハードな描写も多く、何より途中から「逆襲のシャア」の制作決定も相俟って、あからさまに各種リソースが削られているのが見て取れますけど・・・頑張ってこちらも、追ってみようと思います。
by zendam
| 2021-01-24 03:24
| レビュー
|
Comments(4)
最近ガンダムの世界に飛び込んだ者です。初代の重厚な人間ドラマに唸らされ、Zのあまりに身勝手で浅薄なキャラ造形と同じ展開が繰り返されるストーリーに耐えながら試聴を終えましたが、貴方様のブログでそれぞれのキャラの身勝手行動の理由がとても良く理解でき、感謝しています。ZZは打って変わってそれぞれのキャラ造形がしっかりしていて好感を持ちながら見ています。が、後半ストーリーが重くなっていくとの噂に怯えつつ、またこちらで理解を深めさせていただきたいと思います。
しかし、ここまでZとZZでシナリオやキャラ設定が違う(と書きましたが、自分の中の評価は明らかにZ<ZZです)のは、脚本の方が変わっていたりするんでしょうか?
0
> hamhamさん
コメントありがとうございます。あくまでも個人的な解釈ではありますが、理解の助けになる部分があったならば幸いです。 一旦文章に起こさないと考えが纏まらぬ場合もありますので、半ば考察の過程の産物とも言えます。 Zは強すぎる素養を持った若人の発起から破滅が一貫して描かれた様な感じでしたが、ZZの方は流転する情勢を奇知と絆を駆使して切り抜けた風にも見えるもの。 只前者の方は富野監督の目が多少届いていたものの、後者はそうでも無かったせいで、良くも悪くもバランスが崩れている個所が散見する気がするのでした。 今後もお好きなペースにてお楽しみ下さい。
先程Zガンダムテレビシリーズを最終話迄改めて観直した物です。
鑑賞直後にこちらを拝見した為、余りにも、、共感出来る内容だったのと、自分自身の感情と向き合うきっかけとなりました。 本当にありがとうございました!!!
> やまたくさん
コメントありがとうございます。 自分の気持ちを整頓する、と言う動機が半分以上でしたので、実際に誰かの理解の助けになってくれたのなら本当に幸いな事です。 本作は中々に痛ましい話ではありましたが、ZZでの慰めや新訳Zでの再解釈が為された辺りは、多少の救いはあったものと思いたいものです。
|
ファン申請 |
||